オーストラリアで病院に行く

アデレードに到着して2~3日したあたりで、両目が充血するようになりました。痒みはなく、涙が大量に出ます。身体に少し痺れるような感じもあり、経験したことのない症状でおかしいと思いました。一応、新型コロナ感染も疑ったのですが、熱も咳もなく症状がまったく違います。ちょうど Stay Home の時期だったので、外出せずしばらく様子をみていたのですが改善する気配がないので、ロックダウンが終わり病院が再開されるのをまって医師の診察を受けることにしました。

オーストラリアの医療システムは日本と異なります。まず、GPというかかりつけ医師に診察してもらわなければなりません。日本のように、いきなり眼科や耳鼻科などの専門医に行くことはできません。まず、総合的な診察を受けた上で、GPの手に負えないと判断されれば、専門医への紹介状を書いてくれるようです。

通常であれば、自分でGPを予約して診療を受けたうえで代金を支払い、それを保険会社に請求することになります。大手保険会社の海外旅行保険の場合は立替の不要なキャッシュレス診療が可能な場合もあります。幸い、私の加入していた海外旅行保険にもこのサービスが付帯していたので、記載されていたサービス窓口に電話をしました。地方都市アデレードではキャッシュレスに対応してくれる医師が少ないので、場合によってはお立替頂くことになるかも知れないが、医師を探した上で現地の担当者から連絡します、といわれました。まもなく、シドニーの保険代理店から連絡があり、当日中にキャッシュレスで利用できる街中のGPを紹介してもらえました。英語に不安のある人には保険で電話通訳もつけてくれるそうで、私の場合は、医学用語がやや心配でしたが、なんとかなるやろということで通訳はつけませんでした。

約束の時刻15分前に病院に着き、まず受付で新型コロナの症状がないことを確認し、書類を記入して待っていると、中年の男性医師が診察室に招き入れてくれました。最初に症状を一通り話すと、「あまり見たことのない症状だ」といわれ、やや不安になりました。しかし、目の検査をした後で、「原因は花粉なのかホコリなのかよくわからないが、アレルギー症状で間違いないようだ」とのことで、抗アレルギーの目薬と抗ヒスタミンの飲み薬を処方してくれました。「これで様子を見てください。悪化するようなら、眼科の専門医を紹介します。」と、30分ほどで診察終了。キャッシュレスだったので、とくに支払もなく病院を出ました。

調剤受付のあるドラッグストアに行き、薬剤師に処方箋を見せました。1枚で目薬が3回まで購入できる処方箋を出してもらっていたので、今回3個もらえるか聞いてみたのですが、規則があり一度に1個しか買えないとのことでした(ただし、医師の指示があれば一度に購入することも可能)。処方箋は返却してくれるので、次回はそれを見せて購入する仕組みです。ここで注意が必要なのは、最後の回には返却してくれないので、後で保険金を請求する必要のある人は処方箋のコピーをもらっておくのを忘れないようにしてください。(薬はキャッシュレスではないので立替えて、後日、保険金の請求手続きが必要。)

その後、原因不明のアレルギー症状は完治はしていませんが、かなり改善しました。私は海外で病院のお世話になるのは初めてでしたが、今回実感したのは、気軽に治療を受けられる日本の医療保険制度のありがたみと、万が一のためにやはり海外旅行保険には入っておくべきだということです。ただし、海外旅行保険では、通常、歯科治療はカバーされていないので、虫歯や歯肉炎などになると実費で高くつきます。日本を出る前に治療しておきましょう。

処方された目薬と内服薬